ヤマちゃんの子供

庭の巣箱にヤマガラの巣作りが開始。ヘルパーのチビに期待が!

ウグイスの初鳴きも聞こえ始め、庭の巣箱では、ヤマガラのヤマちゃんカップルが巣作りを始めました。
なんと、ヤマガラの子供のチビちゃんが、巣作りの手伝いをしようとしています。

1月から始まっていた庭の巣箱の争奪戦も決着がついたようです

コヒガンザクラの蕾が少し膨らみ始め、春の気配が感じられるようになってきました。
この地域は標高 500mほどに位置する山あいにあり、春は少し遅いものの3月に入ると寒さが緩む日が出てきます。

去年、この庭で子育てをしたヤマガラのヤマちゃんカップルが、今年も北側の桜の木に掛けてある巣箱を獲得しました。
ヤマちゃん(お父さんヤマガラ)はこの庭をテリトリーとしていて、他の野鳥がやって来ても追い払って寄せ付けようとしません。
特に繁殖期を迎えるこの時期は、頭頂部の毛を逆立てて鳴き散らかしています^^

シジュウカラのカップルもライバル君(ヤマガラのオス)もヤマちゃんの強さには敵わなかったようです。

巣箱の入り口では、巣材のコケをくわえたお母さんヤマガラがキョロキョロしています。
辺りを見回しながら、警戒した様子で巣の中に入っていきました。

運んだコケは今はまだ小さなものですが、巣作りも本番になってくると、前が見えなくなるぐらいの大きなコケをくわえてやってきます。
何回も何回も運んで来ます。

たっぷりのコケを何層にも重ね合わせ土台を作り、その上に産座(卵を置く場所)にする為の細かく裂いた樹皮が敷きつめられます。
ある程度弾力があり、乾燥しているので、適しているのでしょうね。
さらにその上には鹿のお尻の白い毛が置かれ、柔らかくて温かいベッドが作られるのです。

動物の毛を運びはじめたら、巣の完成はもう間近!

 

ヤマガラの巣作りはメスだけが作るの?

 

この庭をテリトリーとしているヤマちゃんは、人間が作った巣箱の中に巣を作りますが、ふつう山の中にいる 自然界のヤマガラは、 倒木やキツツキが空けた古巣などを利用し巣を作ります

庭でヤマちゃんカップルの巣作りの様子を見ていると、2羽は必ず一緒に行動します。

巣箱まで必ず一緒に飛んできてコケを巣の中に運び入れ、そして又コケを探しに一緒に森の方に飛んでいきます。
その時、巣材をくわえているのはメスだけで、オスは持って来ないのです。

一緒に行ったり来たりするんだったら、オスだってコケを運べば合理的なのにどうしてなの〜?

それには、オスにとって大事な事情があるからなんです。

メスが他のオスに取られないように傍にぴったりよりそってガードします。
巣箱付近に来るとオスは大きな声で鳴き、自分の存在をアピールしてほかのオスを追い払います。

そして巣作りをしたり卵を温めたりするメスを守り、餌を取ってきて口うつしであげたりと、付きっきりでメスの世話をするのです。
この行為は 「メイトガード」といい、この時期オスはかなりの体力を使い気も休まること無く、1割ぐらい体重が減ってしまうような大変な重労働をこなしているそうなんです。

オスの強い独占欲で自分の子孫を残すための必死の行動なんですね。
巣材を運んで巣を作るのはメスですが、オスはそれ以上の体力を使っていたんです!

ツガイの愛情は深く、どちらかが死ぬまで連れ添うといわれています。

 

一歩先に咲くヒメコブシはピンク色が可愛くて、コヒガンザクラとは名コンビなんです。

 

コヒガンザクラの蕾も色づいてきましたが外はまだ肌寒く、ヤマガラの本格的な巣作りまでは一休み!一休み!。
その年その年の気候や気温と合わせて、本格的な巣作りをいつから始めようかと季節を伺っているんですね♪

例年、ヤマガラが真剣に巣作りに取り組むのは、だいたいサクラが満開になる頃からなんです。
ヒナの餌になる虫たちが出てくる時期を逆算しているという訳です。

DNAに組み込まれた動物の超能力に驚くばかり!
自然界は不思議なことだらけです!

 

厳しかった長い冬を乗り越え、木々たちは春を待ちわびています。
一番乗りで咲き始めた陽光桜に、早速メジロがやって来ました。

濃いピンクの花の中に、明るい若草色のメジロ!
夢のような春の色合わせです。

夢中になって蜜を吸っているメジロのところに、又してもやんちゃなヤマガラはチョッカイを出してきました。
体の小さなメジロですが、我が物顔で庭を独占しているヤマガラに立ち向かっていきます。
蜜の多い陽光桜はメジロの大好物なので怒るのも仕方がありません。

あと10日もすれば、家を囲んでいる37本のコヒガンザクラ、山ザクラ、ソメイヨシノ、花桃が次々と花を咲かせ春爛漫の季節を迎えます。

そうなってくると、一休みしていたヤマガラは大きなコケをどんどん運び、巣作りも本番となってきます。

 

巣作りを手伝おうとする子供のチビ

 

去年5月に産まれたヤマちゃんカップルの子であるチビちゃんの事ですが、繁殖期を迎えた親鳥から今現在、ちょっと離されてしまっています。
去年夏の終わり頃からこの春先まで、片時も離れずにずーっと親子3人仲良く一緒に庭に来ていたのに・・・

そろそろ独り立ちをしないといけない時期になってきているのかなぁ〜・・・
相変わらずおぼこくて可愛いいチビですが、今は一人で行動をしています。

 

 

今日の朝、チビが餌が欲しくて手に乗った時のことです。
クチバシに細い枯れ枝を5,6本くわえていました。

な、なんと!お母さんの巣作りを手伝うために、ヘルパーの真似ごとをしているじぁないですか〜!!

チビは去年生まれた若鳥で、まだ巣作りや子育ての経験がありません。
鳥の世界では、大人になる前の若い鳥やツガイになれなかったオスなどが、子育ての手伝いをする事があります。
ヘルパーとなって繁殖を助け、自分と同じ遺伝子を共有する子孫をできるだけ多く残そうとする習性なんです。

チビは巣材の枯れ枝をくわえている事をすっかり忘れていて、いつものようにひまわりの種を食べようと手の上に乗ってきました。
手に乗ってから自分が枯れ枝をくわえている事に気が付き、私の顔を見たり、ひまわりの種を見たりして考えていました。
結果、くわえていた枯れ枝を捨てて、ひまわりの種を持って行きました。

 

やんちゃでひょうきんなチビらしい仕草に吹き出してしまいましたが、何とも癒された一日でありました♪

 

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