透きとおるピンクの花びらは、フリルのついたドレスのように波を打ち、春風にひらひらと舞い踊ってるいるようです。
庭の風景が一気に華やぎ、辺りは甘いダマスク系の香りがただよっています。
他のバラに先駆けていち早く咲き始める、香りのつるバラです。
あまり取り上げられないバラですが、栽培が容易で初心者の私にもたくさんの花を咲かせることが出来ました。
そのバラは
スパニッシュビューティー Spanish Beauty
別名 : マダム グレゴワール シュテシュラン
作出 : 1927年 スペイン Pedro Dot
系統 : Cl つるバラ
交配 : Frau Karl Druschki × Château de Clos Vougeot
花径 : 10cm
花形 : 半八重咲き または 丸弁盃状咲き
樹形 : クライミング樹形
香り : 強香
備考 : 早咲き、花つきがとても良い
農薬 : 無農薬での栽培が可能
無農薬でバラの栽培をしたいなら、品種選びが「カギ」
ここは標高 500m の山あいにある小さな平家の庭先です。
サクラや花モモが咲き終わり、庭はあっという間に柔らかな若草色に変わっていきました
スパニッシュビューティーの若葉の中に無数の蕾が上がってきています。
4月下旬、朝夕が肌寒いこの地域は、虫たちの活動がまだほとんどありません。
香りに包まれたバラの花園を夢見て、過去にはたくさんのバラの苗を植えました。
農薬を使いたくなかったので使わずに育てていましたが、殆どのバラが無残な結果に終わりました。
高温多湿の日本においてバラ栽培には、消毒が必要な品種が多く「香りのバラ園」は諦めていました。
しかし、スパニッシュビューティーはたくましく生き残っていました。
冬の剪定&誘引ぐらいしか手をかけてあげていないのに、すごい蕾の数です!
このスパニッシュビューティーを植えた場所は、よく日が当たり風通しの良い場所です。
うどん粉病に若干弱いとされていますが、風通しが良いこの場所が好きなのでしょうか、元気な葉を茂らせました。
早咲きで強健なスパニッシュビューティーは、病害虫の少ないうちにさっさと蕾を膨らませていくので、ここでは消毒がいりません。
無農薬でバラの栽培をしたいなら、バラの 品種選びが「カギ」だと言うことがわかりました。
萼(がく)からのぞく、目の覚めるような鮮やかな蕾の色!
厚みのあるみどりの萼から、はじける様に顔を出してきたスパニッシュビューティーの蕾ちゃん〜
” こんにちは ”
なんと言う、あでやかな色なのでしょうか!
すごい数の蕾が控えていて、春を待っています。
開きかけたスパニッシュビューティーの花色は、目の覚めるようなショッキングピンク!
強烈な色なのに気品を感じます。
暖かい春の日差しを受けるスパニッシュビューティーの蕾たち
開いた花色は透きとおった純ピンク
スパニッシュビューティーの花が開くと、今度は透きとおった美しいピンクになっていきます。
花びらは、まるでオーガンジーのウェディングドレスを連想させるような質感です。
ダマスクの素晴し香り〜優秀なつるバラ:スパニッシュビューティー
開きかけの蕾から開花していくスパニッシュビューティーの近くに行くと、 素晴らしいダマスク香が漂います。
スパニッシュビューティーは開いた花が終わっても、次から次へと蕾が上がって咲いてくるので、この 香りは長期にわたり香るのです!
スパニッシュビューティーは気高く咲き誇る「春の舞姫」
咲き進むと花の端はゆるやかに波を打ち、まるでフリルをなびかせているドレスのようです。
育てる手間が掛からず、香り漂う貴婦人のような華麗なバラ〜スパニッシュビューティー!
雑誌やネットショップなど、あまり取り上げられず、脚光を浴びることのないスパニッシュビューティーですが、わたしの庭では気高く咲き誇る 「春の舞姫」なのです♪
そして、この庭にはもう一人の「舞姫」がいます^^
羽を持つ友だち、野鳥のヤマガラです!
この子はこの庭を縄張りとしている、ヤマガラのヤマちゃんの女房です。
いつもは必ずと言っていいほど、番(つがい)で一緒に来るのに、この時はひとりでした。
スパニッシュビューティーのダマスク香に誘われて来たのでしょうか〜
はたまた「舞姫スパニッシュビューティー」と一緒に踊りたかったのかしら・・^^♪
一季咲きのいさぎよさ
以前、「香りに包まれたバラの花園」を夢見ていた頃は、四季咲き性のバラや返り咲き性のものばかりを探していました。
病害虫に強く、 育てやすい品種選びを先ず考えずに、いつも咲いている豪華なバラばかりに目が行っていました。
消毒はしたくない!手抜きはしたい!こんな都合のいい事を考えているガーデナーに、バラは答えてはくれません。
ところがこのスパニッシュビューティーは、都合のいい事を考えている私に答えてくれたのです。
スパニッシュビューティーは春に一度だけ咲く、一季咲き性のつるバラです。
バラたちに「一年中咲いていて欲しい!」なんていう無茶な思いは、もう消えました!
春の一度の開花のためにエネルギーを集中させ、これほどまでに 優美に咲き誇る「一季咲きのバラ」のポテンシャルを知ったからです。