野鳥

庭の巣箱は誰のもの? 野鳥の縄張り争い〜ヤマガラ VS シジュウカラ

 

空は真っ青です。
アメジストセージが秋風にそよぐころ、久しぶりにヤマガラがやって来ました。

今年の春も、北側に掛けた巣箱から、8羽のヤマガラのヒナが巣立ちました。
暑い夏のあいだ、森の中でヒナたちを育て上げ、ホット一息ついて庭に遊びに来たのでしょうか♪

ヤマガラはハードな年間スケジュールをこなして、秋は、やっとのんびり出来る時期なのかも知れません。

 

 

山の暮らしを始めるようになってから、最初の3年間はシジュウカラがこの庭の主役でした。

東側の巣箱から8羽のヒナが巣立ったかと思うと、次は北側の巣箱にも巣作りが始まり、たくさんのシジュウカラのヒナたちが誕生していきました。

3年目になるとヤマガラも庭に来るようになり、気の弱いシジュウカラはちょっと押され気味です。
ヤマガラは人間にすぐに馴れて、手から餌を取っていくようになりました。

警戒心の強いシジュウカラもそのうちにつられて手に乗ってくるようになり、美しい小鳥たちとの遊びに夢中になってしまった私は、庭作業がなかなかはかどらないと言った始末です。

 

この年は、まず最初に北側の巣箱にヤマガラのカップルが巣を作り始めました。

少し遅れて東側の巣箱シジュウカラのカップルも入りました。

この頃からどんどんとヤマガラが優勢となり、庭を支配するようになっていったのです。

 

 

ヤマガラの年間スケジュールは超ハードなのです。

秋に実った木の実などを探し求め、子育てに費やしたエネルギーを補給します。
それと同時に食べ物の少なくなる冬ための食糧を運び、木の幹や地面などにせっせと貯蔵します(貯食行動)。

賢いヤマガラは蓄えた実の場所をほぼ全て覚えているらしいのです。

 

 

 

食べ物の少ない冬場は餌を求めて頻繁に窓ぎわにやって来るのに、雪が降っている日は庭に飛んで来ることはありません。
かなり雨が降っていてもへっちゃらで飛んで来るのに、雪の場合は白く視界がさえぎられてしまい飛べないのでしょうね・・

冬の間、庭にある巣箱の中に入って寒さをしのげばいいのになぁ〜と思ってもいても、お山に帰って寝ています。

 

年が明け氷点下の朝が続くというのに、もう他のライバルヤマガラやシジュウカラとの縄張り争いが始まりました。
秋からこの庭を占領しているヤマガラは、巣箱の近くに寄ってくるものは皆んな追い払い、時には激しい取っ組み合いをして巣箱を獲得します。

 

 

 

寒さが緩みサクラが咲き始めてくると、鳥たちはカップルになり子育てのための巣作りが始まります。

山から苔を探してきて運びだしました。
巣の材料はメスが運びます。
メスの後に必ずオスが続いて飛んでくるのですが、クチバシには何もくわえていません。
ライバル野鳥を追い払わなければいけないし、もし天敵が現われた時はメスを守るために身軽にしているのでしょうか !?

オスの行動は、頼もしいボディーガードに見えてなりません^^

 

最初の頃、運んでくる苔の量は少なくて小さなものですが、次第に大きなかたまりを持ってくるようになりました。
仕上げ段階になると、白い鹿のお尻の毛が運ばれてきます。

ヒナのための暖かなふかふかベッドの出来上がり♪

 

 

 

卵を温めてヒナがかえってくると、親鳥の忙しさはピークとなります.
この時になるとあれだけ縄張り争いをしていたシジュウカラのことはもう忘れています。

近くの巣箱でシジュウカラが巣を作り出しましたが、かまっている場合ではなくなってきました。
お腹をすかせたヒナたちが大きな口を開けて、待っていますからね。

ヒナが成長して羽ばたきが出来るようになると、餌を運ばないようになり、巣立ちを促すのです。

巣立ちは、晴れた日の午前中にすることがよくありました。

まず巣箱から3羽ぐらいが出ると、その子たちを森の中へ連れて行きます。
また3羽が出るとまとめて連れて行きます。
親鳥のつがいはヒナたちがはぐれないように必死に力を合わせます!

森の中に連れて行ったヒナたちに、幼虫や小さな虫などを与え、独り立ち出来るまで一緒に過ごすのです♪

 

巣立ちが終わると、庭は火が消えたようにひっそりと静まり返ってしまいました。

 

◎この地方の産卵期:4月~6月

◎この庭の巣箱では卵数:7~8個

◎抱卵日数:約12~14日

◎孵化から巣立ちまでの日数:約18~20日

◎森の中でヒナに餌を運ぶ期間:推定10〜20日

 

 

 

ヤマガラはもうこの頃になると、子育てによってかなりの体力を消耗し、疲れ切っていますが、この直後に、今度は自分の全身の羽の生え替えをおこないます。

飛ぶための大切な風切羽や、これから厳しい寒さを乗り切るための冬毛を新調するのです(換羽)。
換羽(かんう)は大量のエネルギーを必要とする、命がけの更新なのです!

 

自然の営みとは言え、野鳥たちはハードな年間スケジュールをこなしています。

縄張りを勝ち取ったカップルが巣箱を獲得することが出来るのです。

 

この庭は、ここ数年間ヤマガラのテリトリーとなっています。

結果として、この庭の巣箱は誰のもの?・・・

 

” 繁殖期、縄張り争いで勝利したヤマガラが先に巣作りをし、次に少し遅れてもう一方の巣箱にシジュウカラが巣作りをする ”

〜このパターンが多いですね

 

なぁ〜んだ!結局、ヤマガラとシジュウカラは仲がいいんだね!

ケンカしても、寄り添いながら譲り合って、自然を一緒に生きているんだね♪ (^_^)v

 

 

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